21歳になった。さまざまなツールでお祝いをしてくれた人がたくさんいて本当に嬉しかった。誕生日の前はいつもそわそわする。でも今年は全くしなかった。お祝いをしてもらえるのはとても嬉しいが、21歳になるということがどのようなことなのか、全く想像がつかない。昨年は友人と高田馬場の焼き鳥屋さんに行って、新宿駅まで歩いている途中で20歳を迎えた気がする。その後は彼の家へ泊まらせてもらうことになり、夜は祖師谷の銭湯に行った。その玄関先の喫煙スペースにいた40代とおぼしき男性2人の会話の内容があまりにも稚拙で友人と笑ってしまったことを覚えている。あれから1年。あっという間…というわけでもない気がする。色々なことがあった。20歳はまあ楽しかった。色々な出会いがあった。

 

はじめて異国で迎える誕生日。アメリカは21歳から酒が合法になるため、友人と深夜にバーへ出かけて日付をまたいで僕の誕生日になってからバーへ行った。大学からバーのある場所まで向かうバスを一本逃してしまい、次のバスに急いで飛び乗った。バスの中で21歳になりそうだったが、なんとか23:59にバスを飛び降りた。reservoir駅の近くで21歳を迎えた。そのバーに入るまでには列ができていた。金曜の夜、誰だってバーでお酒を飲みたいに決まっているから文句は言わなかった。一緒に行った友人が、そのバーの玄関で列を管理している人にこの列はバーに入るまでなのかという確認と、どのくらい並ぶのかを聞きに行ってくれたが、「What do you think this line is for?」「Figure out yourself」と言われたと怒っていた。そんなお店へ入りたくないが、他に選択肢もあまりないので仕方なく並んでいた。中は半クラブ半バーのようなところで、どうみても僕の大学の生徒がほとんどだった。アメリカの人気ポップソングに合わせて、みんな踊っていた。

 

僕たちはビールで乾杯して、踊ったり喋ったりした。一人知り合いを見つけて話したけれど、最初僕だとわかってくれなかった。なぜならこの日に坊主にしたから。生まれてはじめての坊主。昔の自分だったら絶対に考えられない選択肢。日本にいるときからアメリカに行ったら絶対に坊主にしようと思っていた。母に頭の形が悪いから坊主はやめたほうがいいんじゃないの、と言われ続けてきたから似合わないだろうと思っていたけれど、案外気に入った。なんとなく思想が強そうな人のように見える。

 

肝心のバーはまあアメリカのバーという感じだった。久しぶりにお酒を飲めて嬉しかった。帰りにセブンイレブンによって牛乳とハーゲンダッツを買った。大きいサイズのハーゲンダッツがずっと食べたかったので嬉しい。友人は韓国のカップラーメンを2種類買っていて、帰ったら一緒に食べようと言ってくれた。寮に戻り、友人の部屋でフランク・オーシャンなどの音楽を流しながら一緒にカップラーメンを食べた。食後のハーゲンダッツはとても美味しかった。そんなこんなで4時ごろ就寝。

 

翌日はおそらく10時くらいに起床した。午後からアメリカンフットボール鑑賞。相手はセントラルミシガン大学で、この組み合わせなら勝てる確率が高いときいたので見に言った。途中から雨が降ってきてとても寒かったが、試合には勝った(寒すぎたので2クォーターが終わったところで帰宅した)。大学内に大きなスタジアムがあるのはアメリカの郊外ならではという感じ。しかもお金を払わないといけないというのも。今回のゲームは安かったが、前回の対ノートルダム大のときは安くても100ドルだったらしい。

 

21歳の目標をいくつか決めた。意思の強い人間になりたい。全体的に強い人間になりたい。あと実直な人になりたい。それと知性のある人。約束を守る人。あとなるべく規則正しく生きたい。あと体重を増やしたい。

英語について。同じ留学生の仲間で、日本から来た女の子がいる。彼女とはここではじめて会い仲良くしているのだが、彼女は英語がとてもうまい。昔、ミシガンに11年間住んでいたという、いわゆるバイリンガル。日本人は英語が話せない、と思っている(多くの)外国の人にとって彼女の英語はかなりの例外。

 

ただ、彼女の話す英語の発音と、いわゆる白人が話す英語の発音は違う。これはおそらく喉や口内の構造が異なるから、だと思う。彼女の英語はネイティブレベルだけれども、やっぱり非白人が話す英語だと感じる。だから、我々がどれだけ努力しても、白人の話す英語と全く同じ英語が話せる日はこないのではないかと思う。これはぼくがここに来て思ったことの一つ。

 

でもそれが悪いことではもちろんない。中国本土で話されているマンダリンと、台湾のアクセントをもったマンダリンが違うように、色々な形の英語があって当然だと思う。そしてぼくは早く流暢に英語を話せるようになりたい。

 

 

9/14 昨日の朝、日本にいる両親とビデオ通話をした。とても元気そうだった。日本に帰りたいかと聞かれたけれど、あまり思わなかった。これは自分でも意外。日本にある自分の家が、なんだか他人の家のように思えた。なんとなく、今は正しい場所にいる気がする。

 

中学生のころ、オーストラリアで2週間だけホームステイしていたことがあるのだが、そのときは最初の一週間でホームシックになった。日本の学校のテストではいつも満点だった英語では不十分だったし、相手が話していることも50%ほどしか理解できなかったと思う。携帯も持って行ってなかったし、音楽プレーヤーも持って行かなかったため、結構きつかった記憶がある。だから今回もホームシックになるかも、と思っていたけれど、(今のところ)大丈夫。日本の美味しいご飯は恋しい。友人がインスタグラムストーリーにのせる何気ない食事がとてもとても美味しそう。もつ鍋とか。ただもともとアメリカのご飯に全く期待していなかったので、まだ耐えられている。帰ったら美味しいものをたくさん食べたい。そしてそろそろボストン市内の美味しいご飯を開拓しに行きたい。

 

16時頃夕立ち。虹は見えなかった。残念。気分がすぐれなかったので授業をさぼり、パソコンで小沢健二のインタビューをたくさん見ていた。本当に小沢健二のようになりたいと思った。

 

夜は、クラブ(日本でいうサークル)のテストを受けた。WZBCと呼ばれるクラブで、これは生徒が運営するラジオステーション。ラジオに特段興味はないのだが、アメ民と雰囲気が一番似ていたこと、そして音楽が好きな友人を作りたかったためこのクラブを選んだ。このテストには合格できたのでよかった。テストを受けに集まっていた人を見ると、やっぱりなんとなくアメ民っぽさがある。楽しい友達が出来るといいな。

 

その後韓国人の友人とシンガポール人の友人とチーズケーキファクトリーへ。カルボナーラとチーズケーキを食べた。一食4000kcalは軽く超えたと思う。とても美味しかった!自分の顔がどんどん肥大化していくのを感じる。帰国しても友人らに認識されないかもしれない。この調子でどんどん太っていきたい。本気で。

 

そしてそのあとは韓国人の友人の部屋でNetflixタイム。はじまりのうたを鑑賞。ニューヨークに戻りたくなった。映画自体は大したことなく。長すぎないのはよかった。

 

9/15 今日はバーベキューをした。とてもまずいハンバーガーを食べた。ブラウニーは美味しかった。たぶん1000kcalくらいはすると思う。 カロリーの話ばかり。でもアメリカ人のように太れるのはとても嬉しい。70kgになって日本へ帰りたい。今日はリーディングの課題をしてジムへ行くつもり。映画も一本見れたらいいな。

この週末はニューヨークで過ごした。2日前に急遽決めたNY行きであったが、前述のとおり往復でバスが35ドルほどだったのでよかった。両親の友人(ぼくも会ったことがある。子供のいない明るい夫婦)がニューヨーク、厳密にはニュージャージーに住んでいるのでそこに泊めてもらった。余談ではあるが、厳密には、という意味でtechnicallyという人が多いなとアメリカに来てから思う。余談終わり。

 

お世話になった家はとても大きなマンション。メインエントランスにはいつもドアマンが立っており、ロビーはホテルのように絢爛で、24時間体制のコンシェルジュ、プールやジム、シアタールームがあるものだった。東京でも、六本木ヒルズレジデンシャルやその他財閥系のいわゆる高級マンションへ何回かおじゃましたことがあるけれど、ここまで設備が充実しているマンションははじめてかもしれない。リビングには大きな窓があり、マンハッタンの景色がとても美しかった。

 

2年半ぶりのNY。ぼくにとってNYはとてもとても大切な街で、好きな場所。前回NYに来たとき、ぼくはまだ18歳で、大学に入ったばかりだった。はじめて外国へ一人で旅したのがそのときで、今思えばそのNY旅から色々なものが始まった気がする。ぼくは旅行先ではなるべくその街の大衆に溶け込むようにしている。それが旅の一番の目的かもしれない。今回のNY旅は、泊めてくれた両親の友人と会うためや、買い物などが目的だった。ボストン・サウスステーションからニューヨーク・マンハッタンまではバスで4時間ほど。ぼくにとってはたったの4時間、寝ていたり音楽を聞きながら車窓の景色を眺めたりすれば、すぐ。ボストンとニューヨーク、ちょうど真ん中ほどに位置するコネティカット州ハートフォードという都市をすぎるころぼくはうとうとしていた。行きのバスにはキチガイみたいなおばさんがいてうるさかったけれど、面白かった。

 

ロウアー・マンハッタンの、いわゆるSOHOというエリアをずっとぐるぐるしていた。チャイナタウンにも近いカナルストリート駅を中心にグルグル回った。駅を出てすぐ見えるマクドナルドがとても懐かしかった。PalaceやRichardson、ONLY NYなどを回って色々と買い物をした。大学の周りには洋服を売っている場所はないので、ときどきNYに来て買い物をする必要がある。こうして気軽にNYにいける環境というのはとても嬉しい。

 

これから、NYだけではなく、アメリカ国内を色々回ってみたいと思う。せっかく金曜日が全休になるようにアレンジしたので。東海岸ではDCやシカゴ、マイアミなど、西はLAやサンフランシスコ、ポートランドも行ってみたいな。

ぼくは、マサチューセッツ州のチェスナッツ・ヒルという場所にあるボストン・カレッジという大学に通っている。留学以前、どこ行くのかと聞かれると、ボストンに行きますボストンに行きますと吹聴していたけれど、厳密にはボストンではなくチェスナッツ・ヒルという市。ボストンのダウンタウンまでは電車で20分くらいだから、気軽に出かけられる距離ではある。また、単科大学を意味するカレッジという名前ではあるけれどもそうではなくて、早稲田大学のように学部がいくつかある普通の総合大学。ボストンカレッジ、ボストンにはないし、カレッジでもない。

 

周りは大きなお屋敷が立ち並ぶ高級住宅街で、アメリカンドリームという感じ。よく手入れされた庭と、ガレージの中のフォード。少し歩くと貯水池がある。この学校はアメリカでも学費が高いことで有名らしく、学費と寮費(実家から通っている人はほぼいない。少なくとも僕は会った事がない)合わせて60000ドル以上する。1年で600万円以上。みな奨学金をもらっているのだと思うけれども、それでもまだお金はたくさんかかる。こんな多額のお金を払えるご家庭の分布は、アメリカ北東部の裕福な白人家庭がほとんどということになる。実際在校生と会うと、ニューヨークやコネチカットニュージャージーなど北東部出身という人が多い。もちろん、サンフランシスコやロサンゼルス出身という人もいないわけではないけれど、多くはない。

 

だから学校には白人がたくさんいる。他のアメリカの大学からここに移ってきた友達は、その白人の割合にびっくりしていた。授業のクラスでも8割が白人で、1人や2人黒人がいて、他はいわゆるABC(アメリカン-ボーン-チャイニーズのそれぞれ頭文字をとったもの)といった両親やそのルーツはアジアだけれども、生まれも育ちもアメリカという人ばかり。

 

そんなわけで、“移民の国”・“自由の国”アメリカという国にいながら、アウトサイダーのような気持ちになる。肌の色で人を区別するなんて本当におかしいけれど、人種によってなんだか肩身の狭い気持ちになることもある。そして、周りを見回してみるとやはり白人は白人で固まるし、黒人は黒人で固まるし、アジア人はアジア人で固まる。かくいう僕もアジア人の友達がほとんど。やっぱりメンタリティー的に近いものがあるし、安心感がある。でもせっかくだから様々なバックグラウンドをもった人とたくさん知り合いたいと思う。世界中に友達を作って、将来世界を旅するときに各地に住む友達を訪ねていくのは楽しいだろうなと思う。

留学2週間目にしてようやくブログ開設。小さいネイビーのモレスキンを持ってきたけれど、パソコンに書いたほうが早くて楽なのでデジタルに。アメリカに来てから2週間以上が経った。アメリカ。今年に入って足を踏み入れた日本以外の国としては5、6ヵ国目なので、外国に来たという高揚感が全くない。アメリカ北東部に来るのもはじめてではないということもあるかもしれないけれど、いずれにしてもこれは自分でもびっくりだった。イメージとしては、目的地であるボストン・ローガン空港にたどり着いたとき、やってやるぞ的な気持ちになるかと思っていたけれど全くなかった。そこらへんにある駅から東京メトロ千代田線に乗って、代々木上原まで出て美味しいご飯を食べられそうな、なんかそんな気分だった。

 

もう授業がはじまって2週目。やはり授業についていくのはとても大変で、先生が何を言っているかきちんと理解するのは今のところできないし、ノートにも何を書いていいのかわからずに、とても苦労している。授業後頭を下げて優しそうな女の子に頼んでノートを見せてもらったりもしている。「英語 突然 聞こえる」などと検索して、留学1ヶ月目で急に英語が完全に理解できるようになった!と書いている人の記事を探す。自分もすぐそういうふうになれる、とほんのり期待して自分を落ち着かせている。授業を受けていないときは、基本的に図書館にいる。予習や復習、宿題をしている。4階にお気に入りの席がある。(大きな窓に面していて、眺めがいい)授業に行って、図書館に戻ってくるという感じ。図書館が24時間開いていて助かっている。とはいえ一緒にご飯を食べて話す友達もいるので、いいバランスだと思う。彼らには本当に感謝。

 

こうした勉強ばかりの日々が特に嫌でもないのは幸いのことと思う。勉強が好きではないけど、外国の大学でもがき苦しんでいる自分を客観視するとちょっと面白いし、留学前に思っていた留学のイメージそのものなので、そうそうこれこれという感じ。なんでこんな英語できないんだろうと自分を責めることなく、かといって努力しないというわけでもなく、ゆっくりと、でもしっかりと順応していきたいと思う。

 

明後日からNYに行くことにした。さっきバスをとった。往復で35ドルほど。NYに住んでいる知人に連絡をして、泊めてもらえることに。できれば毎月NYに行けたらいいな、僕にとってとてもとても大事な街なので。ボストンは思っていたよりもずっと小さく、東京のあの賑やかさは一体どこから発生しているんだろうと不思議に思う(広告とか?)。NYでは知人とあったり、こちらの大学の友人も同じタイミングにマンハッタンにいるということで少し散歩をしたりするつもり。街を歩いて、大衆の中に溶け込む(溶け込んでいるフリをする)のがNYでの好きな過ごし方の一つ。あ、あと日本の友人も今週末マンハッタンにいるようなので、会えたらいいな。

 

日本にいる家族や友人もみな元気にしているといいな。